藍を楽しむ 藍染めは日本文化を彩り、人々の生活を支えてきました。今、その色の美しさはもちろん、防臭や抗菌などの特性も見直されています。藍の魅力を再確認し、暮らしに取り入れ楽しみませんか?
藍を着る 使うほど、洗うほどに優しい肌触りになる
藍染めは、使い込み洗濯を繰り返すうちに、色が落ち着き、柔らかく肌に馴染みます。出雲の筒描藍染めで作った大風呂敷は、赤ちゃんの湯揚げとして使われてきました。また、祖母や母の古い浴衣をほどいて布おむつを縫う風習は日本中にありました。赤ちゃんの肌に優しい、と同時に、藍が持つ防臭や抗菌作用といった清潔を保つ特性が、生活の知恵として受け継がれてきたのです。最近、この特性が見直され、藍染めの産着が作られています。
心地良いだけでなく、暮らしを、いのちを守ってきた藍。藍色が活躍する風景が、日本中にありました。
- 田畑や野良仕事で
- 虫や蛇、蛭を除けるために、藍染めの着物、手甲(てこう)、脚絆(きゃはん)は必須アイテム。
- 鎧の下の肌着に
- 武士は鎧の下に藍染めの肌着を着て身を守った。虫除けだけでなく、丈夫さや清潔を保つ目的があった。
- 箪笥の防虫剤として
- 藍染めの着物を箪笥に入れておくと、防虫効果になる。
- 過酷な現場を強いられる仕事着に
- 江戸時代の消防組織、火消したちが着る半纏や、機関車の窯を炊く国鉄職員や、船乗り制服に用いられた。また、海水にも強く、漁師の晴れ着「万祝(まいわい)」も藍染めだった。
- 毎日履く靴下に
- 防臭効果があるので、今も藍染めの靴下は人気。履けば履くほど丈夫になる。
江戸時代に火消しが着た半纏 (所蔵:お祭りミュージアム)
藍を着るならまずはコレ! 藍色衣服の代表格、デニム生地のパンツ「ブルージーンズ」
身近な藍色の衣服の代表格、ジーンズ。1870 年頃、ゴールドラッシュに湧くアメリカで、鉱夫たちが履く丈夫なズボンとして誕生しました。虫や蛇除けのために、インディゴで染められました。日本には戦後、アメリカ軍が放出した古着を若者が着用し広まり、白洲次郎が愛用したことも知られています。国産産の初のジーンズ製造は、岡山県倉敷市児島です。
デニムの町ともいわれ、合成インディゴ染めだけでなく、天然藍染めのジーンズや洋服も作られており、世界的に高い評価を受けています。「ジーンズミュージアム」があり、ジーンズの歴史を学べます。
- ジーンズミュージアム
- 岡山県倉敷市児島下の町5-2-70 /入館料無料
※営業時間 9時~17時(休業日 年末年始)
http://www.betty.co.jp/museum/