「藍」と聞いて何をイメージするでしょうか?
のれん、手ぬぐい、浴衣、風呂敷など、藍色の布製品ではないでしょうか。これらはすべて、日本の暮らしに密着する、日本文化の一端です。サッカー日本代表のユニホームの「サムライブルー」も、ルーツは藍色。藍色は、日本の色といえるでしょう。
藍染めの原料は、アイと名のつくさまざまな植物です。元々、世界各地に自生し、古来より多くの効能を持つ薬草として珍重されてきました。日本においても染めの原料としてだけでなく、肌に塗ったり、貼ったり、煎じて飲んだり、食べたり、人の暮らしに欠かせない大切な存在でした。
しかし、戦後の高度経済成長を経て暮らしが便利になるにしたがって、藍の効能はしだいに忘れられました。藍色は日本のイメージそのものなのに、私たちは藍について多くを知りません。日本の未来を健やかに育むため、藍について学び、すばらしさに気付き、再発見し、伝承したいと願います。
本サイトで取り上げる「藍」は、タデ科イヌタデ属、一年草の「タデ藍」です。
原産地は中国またはインドシナ半島といわれており、日本へ伝わったのは6世紀以前です。緑色の葉をちぎると切り口が青色に変わります。日本で最も親しまれている種類で、白花あるいは赤花が咲く「小上粉(こじょうこ)」、「小千本(こせんぼん)」などの品種があります。工芸作物と位置づけられ、表1のように、5都道府県で生産されています。
都府県名 | 栽培面積 (ha) |
収穫面積 (ha) |
収量 (kg/10a) |
収穫量 (t) |
主産地 | 主要品種名 |
---|---|---|---|---|---|---|
北海道 | 5.0 | 4.0 | 300.0 | 12.0 | 伊達市 | 在来種 |
青森県 | 1.3 | 1.3 | 169.0 | 2.2 | 青森市 | |
兵庫県 | 1.2 | 0.0 | ・・・ | ・・・ | 西脇市 | |
徳島県 | 14.1 | 14.1 | 379.7 | 53.2 | 上板町 阿波市 |
|
沖縄県 | 1.9 | 1.9 | 1,695.7 | 31.4 | 本部町 | 琉球盤 |
合計 | 23.4 | 21.2 | 465.5 | 98.9 |
(平成24 年度農林水産省地域作物課調べ)