北海道札幌市北区の「あいの里」は、1882(明治15)年に徳島県から入植した滝本五郎氏が藍の栽培を始めた地。開墾期から化学染料が流通するまで20年間、藍の栽培が盛んだったことに由来して付けられました。また、全国に多数ある「紺屋町」は、紺屋と呼ばれた染物商が居住した地域でした。
右)歌川広重が1856 〜1858(安政3~5)年に制作した「名所江戸百景」より、神田紺屋町(現東京都千代田区)の風景。(出典:国立国会図書館)
南フランス、ランドック地方の「モンペリエ」。その地名の語源は、「藍の山」です。ランドック地方では、かつてはウォードの栽培が盛んで、大量の藍玉を生産していました。藍玉は、軍服や制服の染色に欠かせないもので、インドアイが輸入されるまで重要な産業でした。ランドックのランは「藍」? 想像の翼を広げてみると……藍で世界がつながります。